iYM2151 gradually luxuriously

iYM2151デモ曲"gradually luxuriously" ライナーノート / 慶野由利子



FM音源との最初の出会いは、当時在職していた株式会社ナムコの開発の部屋に、ATARIの“MARBLE MADNESS”が資料として持ち込まれた時でした。全員が、まるで仕事が手に付かなくなるほど、筐体の前に黒山の人だかりになっていた、あの日の興奮と衝撃は、いまもリアルに甦ります。

私自身が最初にFM音源によるサウンド制作を手がけた作品は、「PACMANIA(1987)」でした。この音源を扱うにあたって様々に試みた「音色づくりの実験」は、非常に楽しく刺激的でした。

でも、当時の音楽制作の中では、2つの制約がありました。

(1) ゲームセンターの喧噪の中で聞こえる音量であること。
(2) BGMに用いる音は、SEと紛らわしくないこと。

いま、四半世紀の歳月を隔ててこの音源と再会し、再挑戦するとき、この2つの制約から自由になれたことで、ダイナミックレンジを思い切り幅広く、好きなときに「シャリン」「ギュイ〜ン」「キコパピ」を入れて作ろう!というのが、今回、デモ曲作曲のご依頼をいただいた際に念頭に置いたことです。

さらに、頼まれもしないのに、ひとつの条件を私自身に課してみました。それは、「8種類のアルゴリズムのすべてを、最低1回は使おう!」ということ。

iYM2151の音色づくりは、本当に奥が深く、どこまでも楽しめます。
日本の伝統音楽では、尺八の世界に、「一音成仏(いっとんじょうぶつ)」という言葉があります。「一音に徹底することによって悟りの極地に至ること」と解釈してよいようですが、この言葉を借りるなら、iYM2151の音色づくりは、命がいくつあっても足りません!!…人生を何倍にも楽しめます!!!

曲名のgradually luxuriouslyは「徐々に贅沢に」————シンプルな音色から華やかな音色へと徐々に変化させていく楽しみを、追求してみたいと思いました。

慶野由利子

☆ 音色の名称について:YKGL02F1=Yuriko Keino Gradually Luxuriously {0=ベースライン/1=旋律/2=装飾}{アルゴリズム}{アタックFast/Slow}{曲頭からの使用される順番}

iYM2151について

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